はじめよう!ふだん着物ライフ(リファインデニム編)

はじめよう!ふだん着物ライフ

着物をもっと身近に感じてもらいたい!初心者でも気軽に挑戦したもらいたい!そんな思いから生まれたのが、榎本株式会社のカジュアルキモノブランド「IKS COLLECTION deux(イクス コレクション ドゥ)」。その中でも自信をもってご紹介できる着物達を何編かに分け、その魅力やコーディネート、お手入れ方法、制作側の裏話や長年愛用してきた様子についてご紹介していきたいと思います。まずは看板商品として10 年以上愛され続けている「リファインデニム着物」をご紹介します。

リファインデニム着物とは

弊社オリジナルブランド「IKS COLLECTION deux(イクスコレクション ドゥ)」の定番単衣キモノの一つ、リファインデニムのキモノ。一度着たら手放せない着心地抜群のストレッチ入りデニムは、これからのふだん着物ライフに欠かせません。榎本の「リファインデニム」は、デニムの持つ生地の丈夫さや、動きやすさをそのままに、キモノ用に開発した素材です。生地を織る際に経糸に通常より長めの糸(スラブ糸)を使う事で、上品で滑らかな印象にし、緯糸に伸縮性となめらかな手触りが特徴のナイロン、ポリウレタン糸を使う事で、ストレッチ性があり、デニム特有の固さやごわつきがなく、動きやすさを実現しました。また、リファインデニムは、白生地を後から染めるのではなく、織る前の糸の段階で染めることにより、色落ち、色移りがしにくく、いつまでもきれいな色のままでいられます。カラーはベーシックな紺、黒、ベージュの3 配色展開となっております。商品名のリファインとは「refine= 洗練する」という意味で、機能性だけでなく見た目にもこだわりのある一品なのです。

リファインデニムについて、スタッフからの生の声

【自己紹介】

私は 2009 年に新卒入社し、かれこれ 12年、榎本株式会社の和装部企画として、ゆかたをはじめ、和装のものづくりに携わってまいりました。私が入社しまもなくスタートしたのが、「IKS COLLECTION deux(イクスコレクション ドゥ)」というカジュアルキモノブランド。キモノ初心者だった私がこのブランドと共に歩み、成長していく中で感じてきたこと、できごとなどを綴っていきます。まずは、着用歴10 年以上の愛着のある一品、「リファインデニムのキモノ」について、お話ししたいと思います。

【リファインデニムキモノとの出会い】

着物をもっと身近に感じてもらいたい、初心者でも気軽に挑戦してもらいたい、そんな思いから生まれたリファインデニムのキモノ。綿織物産地の浜松で、長年繊維業を営んできた榎本だからこそできるものをと試作を繰り返し、満を持して登場したのが2010 年。以来約10 年にわたり、榎本の定番商品としてお客様に愛され続けています。私はこのリファインデニムが生まれる一年前に入社し、このキモノとともに歩んできました。入社当初はキモノの「キ」の字もわからない、右も左もわからない状態。そんな私が成人式ぶりに着用したのがこのキモノでした。

【リファインデニムの魅力】

初めてこのキモノを着て京都の展示会に参加した日のこと。お昼休憩のためエレベーターに乗ったところ、同乗した着物姿の年配女性に、「大島(紬)ですか?」と声を掛けられました。大島紬の価値もわからず、「デニムのきものです!」と自信満々に答えた私に、その年配の女性は驚いた様子で、「あら、全然わからなかったわ。素敵ね。」とほほえんで去っていきました。知識不足で気恥ずかしく思う一方、着物に詳しい方でも見間違うほど良く見えるキモノなのだ、自信をもって販売していこう、と心に決めたのでした。リファインデニムの見た目はとても上品で、いわゆる「デニム」のもつカジュアルな印象ではなく、少し光沢を感じ、きめの細かい質感。デニムと聞くと若者のイメージが強いけれど、榎本のリファインデニムは幅広い年齢の方に愛用していただける一品です。

リファインデニムの機能性とお手入れ

リファインデニムは見た目もさることながら非常に扱いやすいです。ポリウレタン糸が2%使われ、ストレッチが効いているのでとても動きやすく、屈伸や正座をしても膝の抜けがさほど気になりません。よく動く方にはもってこいのアイテムです。また、綿素材なので着ている間に生地が滑ることもなく、着崩れしにくいため初心者にもぴったり。
なんといっても気軽に洗えるというのはポイントが高いのではないでしょうか。
こちらのリファインデニムのキモノは洋服をお手入れする感覚で扱えるのが魅力。自宅で洗濯できるため、初めての方でも抵抗感が抑えられると思います。
私の場合は、畳んでネットに入れ、オシャレ着用洗剤とともに洗濯機にイン、手洗いモードでスイッチオンです。洗い終わったら着物用ハンガーに掛け、両手で軽くパンパンッとシワを伸ばしてから陰干しをします。ストレッチのお陰なのか乾くとそのままでもほぼOK。ピシッとしたいときはアイロンを掛けてから仕舞っています。
ただ、ストレッチ素材なので多少の収縮はあります。私の場合、大体年に5~10回ほど着用し、10年以上経ちましたが、少しお袖が短くなってしまいました。しかしながら長年の着用でも色は褪せず、生地もしっかりしているのでまだまだ現役です。自身が太ったり痩せたりするので、お袖の短さも気のせいかしら?と思いながら今でもずっと愛用しています(笑)

1.デニム着物を畳んで、洗濯ネットに
この時、着物は裏返さなくても大丈夫です。

2.洗濯は単独洗いで
白やベージュなどの淡色のものと分けましょう。

5.日陰か室内に干す
日やけによる色の変化を防ぐ為、風通しのよい陰、または部屋干しにしましょう。

6.たたいてシワを伸ばす
軽くたたいて伸ばしておくとアイロンがけをする手間が省けます。

3.おしゃれ着洗い用洗剤を入れる
洗剤は、おしゃれ着洗い用の中性洗剤を選びましょう。

4.弱コースを選ぶ
また、洗う時間は短時間のもの選びましょう。

7.あて布をしてアイロンがけ
しわが気になる場合、完全に乾く前にあて布をして「中温」でアイロンをかけましょう。

8.畳んで収納
きれいに畳んで収納しまししょう。
「畳み方はこちら」

【リファインデニムとふだん着物ライフ】

キモノを着てみたくても、扱い方がわからないとハードルが上がってしまいますよね。私の祖母はキモノ好きだったので、たくさんのキモノを持っていましたが、私が知りたいと思う頃には既に他界し、何も教われませんでした。当時の私がまずぶち当たった壁は『キモノの「格」が分からない』でした。キモノを着てお出かけをしたいけれど、このキモノで行っても大丈夫なのだろうか、詳しい人がみたら、場違いに思われないだろうか。その点リファインデニムのキモノはとても覚えやすく、普段着慣れたジーンズと同じと思えばよいので、不安が解消されました。カジュアルなお店でのランチには行けても、高級レストランのディナーにはジーンズは履きませんよね。ジーンズにT シャツでは完全に普段着ですが、ジャケットを着たら少しかしこまるように、羽織をきるだけでお出かけ着になります。羽織の代わりに洋服で合わせる大判ストールを合わせることもあります。普段身近なジーンズに置き換えることで、まずはキモノを着る楽しさを知る事ができました。
そしてだんだんとキモノに興味をもち、他の素材も知りたいという気持ちが芽生え、箪笥に眠ったままだった祖母のキモノに挑戦したいと思うようになりました。絹の訪問着で友人の結婚式に参加したり、紬で初詣に行ったり、少しずつキモノに触れる中で、お稽古に興味を持ち、茶道も始めました。リファインデニムは私のキモノライフへのきっかけを作ってくれたのです。リファインデニムはお茶をこぼしてしまっても洗えますし、畳に正座しても生地が丈夫で傷みにくいので、安心してお稽古に専念できます。
他のキモノを知れば知るほど、リファインデニムキモノへの愛着が深まるばかりです。

【リファインデニムの裏話…】

リファインデニムのプレタは全て、背中にコバステッチが入っています。
実は最初のサンプルの段階ではコバは入っていませんでした。私が試しに着用させて貰えることになり、慣れない着付けに四苦八苦しながらギューギューと着付け、着用感を確かめていたのですが、丸一日動き回り、疲れ果てて椅子にドシンと腰掛けた瞬間…!

…裂けたわけではないのですが、ストレッチが伸びて糸の伱間から襦袢がチラチラと覗いてしまったのです。そんな試着の甲斐もあり、デニムのプレタは全て背中心にコバを打ち、しっかりとした縫製となった次第です。

※コバステッチ…補強や生地を整えるために布の端をミシンでたたくこと。

はじめよう!リファインデニムコーディネート

リファインデニム着物は、無地でベーシックなネイビー・ベージュ・ブラックの3色展開です。だからこそ合わせる帯や小物によって様々な印象を楽しむ事ができます。クラシックからモダンな合わせ方までコーディネートをご紹介致しますので、これからのデニムコーデの参考になれたらと思います。

モダンな暮らしIKS(公式通販サイト):https://www.rakuten.ne.jp/gold/iks/