【鶴と亀】
「鶴は千年。亀は万年。」と言われるようにどちらも長寿のシンボルですね。鶴は20～30年、亀は40年、中には100年以上生きるものもいるとされています。昔の人の平均寿命は、今よりももっと短かったとされているので、その時代から考えれば、長寿といわれるのも納得です。また、鶴は「夫婦鶴」という言葉もあるように、夫婦円満のモチーフともされています。鶴はつがいになると、死別しない限りその相手と一生添い遂げる鳥で、子育てにおいても両親鳥が長い時間をかけて餌の採り方、飛び方など生きていくために必要なスキルを教えていくとされています。結婚祝いや長寿のお祝いなどにぴったりのモチーフです。

【ふくろう】
ふくろうを漢字で書くと「梟」となりますが、ふくろうには様々な当て字があります。 「不苦労」で苦労知らず、「福来」で福がくる、「福老」で幸福で豊かに年を重ねる、「福路」で幸福な人生（路）になるとされています。どれもおめでたい言葉になるため、ふくろうが縁起物とされてきました。また、海外でもギリシャ神話やローマ神話でも知性の象徴として大切にされてきました。受験生や資格取得をめざしている方にもよろこばれるモチーフではないでしょうか。

【ねこ】
もともと猫はネズミを捕るので、農家や養蚕業を営む家庭では重宝されていました。日本各地に言い伝えがあり、諸説ありますが、猫はさまざまな場面で、幸運を招く動物として広まり「招き猫」が生まれたといわれています。左手を上げている招き猫は商売繁盛や、良縁に恵まれるなど人に関する福を呼び込んでくれるとされており、右手を上げている招き猫は金運や幸運を呼び込んでくれるとされております。

【鯛】
鯛の鮮やかな赤色は、古くから「邪気を払う色」とされ、縁起の良い色とされてきました。また、魚の中でも長寿で20年以上生きるのが普通とされ、中には40年近く生きるため、長寿の願いが込められています。お祝いの席にもよく用いられて「鯛の尾頭付き」は頭も尾も完全にそろった形の鯛のことを言います。「一つの事を初めから終わりまで全うする」という願いが込められています。何といっても、「めでたい」にかけられているので、日本人らしさのあるモチーフだと思います。

【栗】
栗を食べることで大切な勝負の場面で本領を発揮できるといわれています。戦国時代の武将武田信玄は「勝ち栗」という縁起を担いで、戦の前には必ず栗を食べていたと言われています。また、栗のイガには魔除けの意味があると考えられていました。栗の実がなるのに途方な時間がかかることもあり、その実を食べれば永遠の命を手に入れられるとして不老長寿の効果があるとも言われておりました。お正月にいただくおせち料理には金運UPの意味がこめられた栗きんとんはかかせません。

【れんこん】
れんこんはまっすぐ穴が開いているので、見通しが良いとされ、明るい未来がもたらされるとされています。先を見通して悪いことに巻き込まれないように、という意味も込められているそうです。また、れんこんには種が多いことから「子孫繁栄」の意味も込められております。蓮の花は仏教において極楽浄土で咲く花とされていることから、茎であるれんこんも清浄で穢れのない食材とされ、もともと神様への供物であったおせちに最適とされました。

【だるま】
だるまはもともと達磨大師という禅宗の祖師がモデルになったと言われています。達磨大師は9年間もの間、壁に向かって坐禅を行い、手足が腐ってしまったという伝説が由来となっています。達磨大師の困難や苦労にもくじけない思いが込められており、商売繁盛・開運出世などの 縁起物とされています。

【一富士二鷹三茄子】
「一富士二鷹三茄子」とは「初夢に出ると縁起がいいと言われるもの」を意味することわざです。三大仇討説、徳川家康説、駿河の国説等、諸説ありますが、語呂合わせなどの言葉遊びの好きな日本人らしい縁起物です。