はじめよう!ふだん着物ライフ
着物をもっと身近に感じてもらいたい!初心者でも気軽に挑戦してもらいたい!そんな思いから生まれたのが、榎本株式会社のカジュアルキモノブランド「IKS COLLECTION deux(イクス コレクション ドゥ)」。その中でも自信をもってご紹介できる着物達を何編かに分け、その魅力やコーディネート、お手入れ方法、制作側の裏話や長年愛用してきた様子についてご紹介していきたいと思います。今回は看板商品「リファインデニム着物」に次ぐ人気者「バティックジャガード着物」をご紹介します。
バティックジャガード着物とは
榎本株式会社オリジナルブランド「IKS COLLECTION deux(イクスコレクション ドゥ)の人気アイテムの一つ、バティックジャガードのキモノ。前回ご紹介したリファインデニム同様、こちらの生地も、榎本がオリジナルで開発した素材。一見無地のキモノですが、西洋風の花更紗の柄を※ジャカードと呼ばれる技法で織り出したとてもオシャレな一枚。もともと遠州はシャツやコート地などに使われる高級綿の産地であり、細く撚りのかかった糸で織られる生地は高密度でとても丈夫です。綿のジャカードを織る際に、ポリウレタン糸を少し加えることで、ストレッチを効かせています。その収縮により柄が浮き立って見え、一色でありながら深みのある仕上がりとなるのです。
※「ジャカード生地」とは、柄を織りで表現した生地のことを言い、プリントとは違った味わいがあります。
バティックジャガードについて、榎本株式会社のスタッフからの生の声
【自己紹介】
私は 2009 年に新卒入社し、かれこれ 12 年、榎本株式会社の和装部企画として、ゆかたをはじめ、和装のものづくりに携わってまいりました。入社後まもなくスタートしたのが、「IKS COLLECTION deux(イクスコレクション ドゥ)」というカジュアルキモノブランド。キモノ初心者だった私がこのブランドと共に歩み、成長していく中で感じてきたこと、できごとなどを綴っていきます。
【バティックジャガードの魅力】
バティックジャガードの魅力はなんといってもジャカードで織り出された花更紗の地紋。私はこの素材に出会ったとき、まさに「一目惚れ」してしまいました。生地を見ているだけで心が弾んでしまうような、布好きにはたまらない一品なのです。ストレッチによるフクフクとした手ざわりと、可愛らしい花更紗柄の丸みとが、とてもマッチしています。綿の素朴な質感がまたしっくりとくるのです。工夫して丁寧に作られたものを見ると豊かな気持ちになりますよね。一色使いなので無地のキモノに見えますが、光の加減で更紗柄が浮き出て見えます。バチっとした印象ではなく、遠目にも柔らかさを感じるのが、こちらのキモノの最大の魅力です。
【お手入れも素材を活かして】
こちらの素材もリファインデニムと同様、家庭でのお洗濯が可能。私の場合、手洗いモードでお洗濯をし、キモノハンガーで陰干しをしますが、洗うとジャカードが少しキュッとなり、凹凸がはっきりとします。個人的にはそちらの見た目の方が好みで、凹凸がある方が、より深みがでて立体感が増しますし、ほんの少しクシュッと生地が寄ることで、やさしい見た目になる様に感じます。乾いた後は気になる部分だけアイロンを掛けますが、ほとんどの場合そのままの状態で畳んでしまっています。こちらの商品に関しては、一度洗いますと多少収縮してしまいますので、納品時は予定のサイズよりもほんの少し余裕をもって縫製していますので、ご安心ください。
日陰か室内干ししています。
気になる部分をアイロン掛けしています。
【色違いが欲しくなります】
私は迷いに迷ってグリーンを選びました。深みのある少し青味のグリーンは上品で柔らかな印象。帯をオフホワイトにして優しい雰囲気にしたり、ダーク系で落ち着かせたり、はたまたターコイズやグリーンの少し彩度の高いものでポップに合わせたりします。キモノ自体が無地なので、なんでも合わせられてしまうのが嬉しいです。リファインデニムは少しカッチリとした印象になるので、友人とお茶をしたり、お出かけをしたりするときは、可愛らしさのあるバティックジャガードを選んでいます。
カラーバリエーションはグリーンの他に、秋冬コーディネートにぴったりな落ち着いたレッド、ブラックに加え、今回新色として、ナチュラルで柔らかな雰囲気のオフホワイトとイエローをとりそろえております。女性らしさはそのままに、色味によって印象がずいぶんと変わりますので、色違いで欲しくなってしまう、そんなアイテムです。私の2着目選びはもう少し時間がかかりそうです(笑)きっと皆さまに似合う一枚が見つかりますので、どうぞサイトをチェックしてみてください。
【色だし裏話】
バティックジャガード着物は、白い状態の生地に後から色を染めて作っています。これまでに10色以上展開をしてきました。ベーシックカラーやナチュラルカラー、ビビッドカラーなど、毎回スタッフ同士であれやこれや話合いながら決めた、こだわりの配色です。
榎本の企画室には、カラーチップ(色見本の生地)を保管している棚があるのですが、その引き出しいっぱいに詰まっているカラーチップの中から、お目当ての色を見つけ出す作業が私はとても好きです。色は見る場所や天気、時間帯によっても変化して見えるので、室内の蛍光灯の下で確認するだけでなく太陽光にあててみたり、スタッフ一人一人の肌に当ててみて、映えるかどうかを確認したりと、微妙な色味の違いでも妥協せずに選定しています。染工場にて本番の生地にテスト染めをする際も、柄のイメージにちゃんと合っているか、指示通りの色になっているかなど、スタッフ全員が納得した上で最終決定をしています。
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